美ら海水族館へ行こう! | 【ノーマルバージョン】 | ワイワイバージョンは->こちらです。 |
2012年10月27日土曜日、楽しい仲間たちと美ら海水族館に遊びに行くことになりました。昨日は夜遅くまでカラオケ店で騒いでいて、寝たのは朝4時を過ぎていました。 目が覚めたのは朝7時、待ち合わせはモノレール赤嶺駅に9時10分なので、まだ2時間少しあります。しかし、ここで二度寝したらいつ起きれることやら分かりません。 かのフランス皇帝ナポレオンは、毎日3時間しか睡眠を取らなかったと云うことなので、自分もこれで十分な筈です。 待ち合わせ場所には早めに行ってベンチに腰をかけていると、ここち良い10月の風が睡魔を連れてやってきます。現実と夢の中を往復している間に全員集合、一台の車に4人が便乗し、さぁ!みんなで出発です。目指すは美ら海水族館、高速道路を使い、まずは名護へと一直線で向かいます。 |
[三枚肉そば:快挙!5枚のせ] [ソーキそば:驚きの!4塊のせ] |
名護に到着したのは11:00、お昼にはちょっと早い時間ですが名護と云えば沖縄そば、沖縄そばと云えば「宮里そば」、ということで名護で大人気のおそばやさんに直行することになりました。 国道58号線から名護市役所を右手に見て交差点を右折、その先をすぐ左折して少し行くと「宮里そば」の大きな看板が見つかります。 11:00にも関わらず、店の中はお客さんでいっぱいです。私は三枚肉そば(中)500円を注文、ソーキそばを注文した仲間もいます。 そばを待つ間にもお客さんはどんどん入ってきます。 調理場には何人かいるようですが、給仕を担当するおばぁちゃんは1人だけ。 黄色と青と赤のサイケデリックな色彩の洋服が妙に似合っていて、年齢を感じさせないしゃきしゃきとした働きっぷりです。これを見たら、寝不足でだらりとしていた背中の丸みは、きりりと延びてしまいました。 おそばが運ばれてきました。 麺の上には三枚肉が5枚乗っています。通常2枚しか乗っていない沖縄そばが多い中、5枚乗せは快挙だと思います。さらに汁をひと口すすれば、鰹の風味がふわりとかもし出され、途中の車窓から見えた名護湾の清く透き通った海の香りが脳内いっぱいに広がります。 「で〜じ、やべ〜」、仲間の一人は沖縄出身なので、時々沖縄弁を使います。とても美味しいと云う意味のようです。ここのおそばには、観光客にへつらうことのない、昔から変わらぬ地元老舗のプライドを感じます。そのためお客の大半は地元民、毎日食べても飽きのこない普段着のおそばです。 全員われを忘れ無言でおそばを貪(むさぼ)りますが、麺が全く減らないことに気が付きました。 これだけの量ならば、小300円でも十分です。 やっとの思いで完食、後には満足感と仲間が食べたソーキの骨だけが残りました。 |
「瀬底ビーチ」。 本島屈指の透明度を誇ります。 |
早い昼食を終えた後は、再び美ら海水族館に向けて出発です。 本部港を越えたあたりで、瀬底島方面への道路標識が目に留まりました。 瀬底島は、本島屈指の透明度を誇る瀬底ビーチが有名です。 2008年の倒産で工事が中断された巨大リゾートホテル跡も、その後の状況が気に掛ります。2008年といえばリーマンショックの年で、サブプライムローンという言葉も、この時初めて知りました。あれから4年経ちますが日経平均も1万円付近をうろうろするばかり、EUの財政危機も足かせとなって、いっこうに景気の良い話は聞きません。 瀬底島を覗いてみれば、ホテル跡は廃墟のままですが、瀬底ビーチは人間の醜い思惑とは関係なく、純粋できれいな沖縄の景色を提供してくれていました。 遠くには、タッチュウ(城山)を擁する伊江島が単調に成りがちな水平線にアクセントをつけています。 伊江島もオスプレーの飛行訓練騒ぎで話題の中心となっていますが、それとは無関係な顔をして水平線に横たわり、おだやかな風景を演出しています。 沖縄で暮らす我々でも、これだけ綺麗な海岸には、そう簡単にお眼にかかれるものではありません。もはや、点在する人の姿も風景の一部になっていて、自分たちもその中にいます。 |
美ら海水族館メイン水槽。 ジンベイザメからみれば、人の姿も蟹に見えてしまいます。 |
瀬底島を後にし、途中のコンビニで美ら海水族館の割引入場券を確保。いよいよジンベイザメとの対面です。今日の日中の気温は、最高28.2度を記録。海水族館の入口では、ツバメの姿も見つけました。 まだまだ沖縄は夏でした。 水族館を覗いてみれば、ジンベイザメはいつものとおり大きな水槽の中を、ゆったり回遊しています。宇宙を行き交う戦艦ヤマトの姿とも重なります。トビエイは、ひれを巧みにうねらせながら水中を舞い、その横を多くの魚が行き交います。この水槽では、巨大なマンタでさえ脇役に過ぎません。 浦島太郎が訪づれたとされる竜宮城が本当にあったとしたら、こんな光景だったに違いありません。 しかし、こうした平和そうに見える水槽内も、巨大なジンベイザメにしてみれば極めて窮屈な空間です。ジンベイザメの本当の幸せを考えると多少複雑な感情にもなってしまいます。 水族館見学の後は、どうしましょう。 事前のシミュレーションでは、今帰仁城、古宇利島観光などが想定されていました。 時計も15:00を回り、だいぶ疲れも見えてきました。ここは八重岳麓(ふもと)の森カフェで、一日の思い出に話を弾ませながら疲れを癒すことにしましょうね。 森カフェの候補は、雑誌で有名な「やちむん喫茶シーサー園」、あるいは静かに過ごせる「四季の彩(あや)」。 四季の彩は、これまで何度か訪れているcafeなので勝手がよく分ります。人知れずゆっくり疲れを癒す時に最適で、仲間にも自信を持って紹介できるお店です。 こう云った隠れ家的存在はあまり人に知られたくない!という人もいるようですが、みんなで行って応援しないと閉まってしまいます。 |
「四季の彩」。 ベランダに咲き誇るブーゲンビリアは、瞼にのこる去年の記憶です。 |
伊豆味交差点の少し手前を山の中に入るとお目当てのcafeが見つかりました。 駐車場では、あたり一面金属音が鳴り響いています。これは去年、世界遺産 座喜味城に行った時に始めて聞いたツクツクボウシの仲間の「オオシマゼミ」の鳴き声です。あれもたしか10月でした。 お店に入ると、いつもベランダを飾っているブーゲンビリアの花が見つかりません。 聞けば、9月と10月の度重なる台風で花はちぎれ枝は折れ、惨憺(さんたん)たる状況だったのだそうです。 しかし瞼(まぶた)の奥には、華麗に咲き競うブーゲンビリアのピンクの花がしっかりと刻まれていて、ちっとも寂しくありません。 お店に置いてある思い出帳で、ドラゴンボール孫悟空の簡単なスケッチと「とりやま あきら」のサインを見つけてしまいました。 我々の未熟な筆跡鑑定が正しければ、間違いなく本人です。 美人のおかみさんに聞いてみても、全く知らなかったとのこと。ここには、またひとつの大きな謎と思い出を作ってしまいました。[ドラゴンボール孫悟空] この後は、高速を使ってまっすぐ帰宅します。夏のような暑い一日でしたが沖縄ももはや秋、空は高く、夕日に赤く染まったひつじ雲が空一面を覆っていました。楽しかったみんなの旅もこれで終わりです。 皆様、今回も貴重な時間をさいて「美ら海水族館の旅」をご購読いただき、本当にありがとうございました。 |
(文・写真:梶原正範) |
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) ついでに、他の「紀行・探訪記」や「沖縄花だより」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |