「東京・下町自転車」(亀戸水神) | 前編:亀戸水神駅 | |
2014年7月26日の地域密着系都市型エンターテイメント番組「出没!アド街ック天国」に取り上げられたのが「亀戸水神」、実はこの日の放送に一番驚いたのは地元の人達でした。「何か特別なお店やネタがあったっけ?」と首をかしげるような、どこにでもある普通の住宅街だからです。 まずは東武亀戸線の「亀戸水神駅」、藤で有名な亀戸天神の最寄駅と勘違いする人が多いと云う話を良く聞きます。しかしながら亀戸水神宮は、室町時代には既に存在していたと推定されている古い歴史のある神社であって、江戸時代初期に建てられた亀戸天神とは一緒にしないで欲しいと思います。 亀戸水神駅のもう一つ特徴は鉄道マニアがよだれを垂らす構内踏切、東武線で都内に残っているのは「亀戸水神駅」とそのお隣の 「東あずま駅」だけらしく、そのように云われると改めてじっくり観察してみたくなりました。 話のついでに東武亀戸線について紹介すれば、この路線は亀戸駅から曳舟駅までの3.4km、中間駅も僅か3駅しかない極めて可愛いミニ路線です。 |
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自宅から亀戸水神駅へは、亀戸中央公園を横切って向かいます。この公園は日立製作所の亀戸工場だったところで、広大な芝生の広場には楠(くすのき)や欅(けやき)、樫の木、メタセコイア(和名:曙杉)などの大木が生い茂り、まるでニューヨークのセントラルパークにでも紛(まぎ)れ込んでしまったような錯覚を覚えるのは、私だけでありました。(すみません。地元びいきが過ぎました。) この公園で補足したいのは春の桜の美しさ、花陰からはスカイツリーも顔を出し多くの花見客で溢れます。もっとも去年(2013年)に限っては、花も春が来るのを待ちかねて10月に咲いた桜もありました。 亀戸水神駅に行く途中、ついつい寄ってしまったお店が「水神そば」。女将さんとフィリピン出身のお嫁さんが二人で切り盛りしているカウンターだけの小さなお店で、アド街ック天国でも紹介されました。 壁にかけられたメニューを見れば、かけそば240円、これに卵を沿えた月見そばはたった40円増しの280円ということで、これは極めてお徳です。ところでテレビで紹介されたお勧めは生姜天そば330円、今回は、これを頂くことに致します。 お店を出ると白地に青いラインの東武電車が二両編成でやってきました。ここにやってきた初期の目的は構内踏切、さっそくよさそうな構図を選んで愛用のデジカメのシャッターを切って見ます。 しかしながら幾らひいきに見てみても、これは何の変哲もないただの踏切でありました。 亀戸水神駅の昔のホームは、今の場所から100m程亀戸駅寄りにあったということなので、ちょっと寄り道してみたいと思います。線路沿いは住宅が真近に迫る狭い路地になっていて、下町情緒たっぷりです。 |
線路沿いの路地を注意深く歩いて行くと、それらしい遺構(いこう)がありました。残っていたのは恐らくホームの支柱を支えていた土台部分、線路と平行して四角いコンクリートが整然と並んでいます。これが鉄道マニアであれば、泣いて喜ぶところであったろうと思います。 |
前編(今いるところ) | 後編 | 【周辺マップ】 |
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) 東京下町を探訪する他の記事(「東京・下町自転車」)や「沖縄花だより」、「紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |