「東京・下町自転車」(亀戸水神) | (後編:亀戸水神宮) | |
前編は、ちょっとマニアックな部分に入り過ぎました。今日は天気も良いし、せっかくここまで出掛けて来たのですから亀戸水神宮にお参りしようと思います。この付近はもともと中川の河口に出来た中州だったと云うことで、水害の多い地域でありました。そこで迎えられたのが罔象女神(みつはのめのかみ)、祈雨(きう)や止雨(しう)を得意とする治水・灌漑(かんがい)関係の水の神様です。 ところで、現代の水の女神は今年7月に結成されたゲリラ雷雨ガール達、怪しい積乱雲が発生するといち早く現場に急行し、気象レポートをする人たちです。こうなってくると不謹慎ではありますが、わが町にゲリラ降雨の発生するのが、むしろ待ち遠しくなってしまいます。 話を戻して「亀戸水神宮」は、東武亀戸水神駅の前の通りをまっすぐ進んだところにありました。境内の手前にはお回りさんの交番があって、これだけみれば水神宮専用の詰め所に見えてしまいます。しかしこれは地域の交番であって、水神宮と共に地域全体の安全を影から支えてくれています。 実はこの交番システム、「国連から世界一危険な地区というお墨付きを頂いたサンパウロ・ラニエーリ地区では、2000年に年間408件発生していた殺人が、日本をお手本にした交番システムの導入で、2009年には89件まで激減した。」という優れもの。今では社会秩序不安定な中南米全体に、日本の交番システム導入が広がっているということらしいです。 |
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本殿にお参りする前に狛犬(こまいぬ)にもご挨拶、こちらの狛犬は典型的な岡崎型で、向かって右が玉持ち、左が子持ちです。このデザインは亀戸香取神社のものにそっくりで、両神社の警護を兼務しているのではないかとまで思えてしまいます。 ところで、目新しいものが何も見当たらない亀戸水神宮付近にも、お洒落で落ち着けるレストランがありました。お店の名前は「ファームイン」、イタリア料理店なのですが、人通りの少ない静かなマンションの一角なので、テレビや雑誌にでも紹介されない限りその存在に気づく人は僅かだと思います。 店の中は意外に広く、大きな窓の外は水神の森を彷彿(ほうふつ)させる玄武岩と樹木で覆われていて、隠れ家的雰囲気たっぷりです。マスターはシャイで真面目そうな方、「テレビに出ていましたね。」と話題にすれば照れてばかりでありました。 スパゲティランチはスープにサラダ、ソフトドリンクが付いて900円、これに本日の前菜3品と食後のデザートを加えたパスタセットは1,500円と比較的リーズナブルな値段です。超薄皮のパリパリのピザもお勧め、お昼の12時ともなれば一斉に客が押し寄せて人気の程が伺えます。 気になる点は分煙されていないこと、煙草を吸わない人にとってはちょっと残念です。 |
前編 | 後編(今いるところ) | 【周辺マップ】 |
(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。) 東京下町を探訪する他の記事(「東京・下町自転車」)や「沖縄花だより」、「紀行・探訪記」、「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。 |