「東京・下町自転車」(亀戸ラーメン便り) 前編:豚骨ラーメン

豚骨ラーメン(ごっつ)/(潤)

【豚骨ラーメン】
 前回の平井ラーメン便りが好評であったため、今回は特別編として、亀戸のラーメン便りをお届けしようと思います。亀戸にはラーメン店が非常に多く、全体を網羅することはほとんど困難です。そのため、これまで入ったことのあるお店から、「ん!これは・・」と感じたラーメンを紹介します。

 ところで亀戸の名所と云えば「サンストリート」、第二精工舎の跡地に建てられたショッピングセンターです。 この第二精工舎という会社も、セイコー電子工業、セイコーインスツルメンツと名前が変わり今ではセイコーインスツルと云うようですが、メガバンクのように合併を繰り返したための社名変更とは違い、何が理由でここまで名前を変えるのかよく分かりません。

 このサンストリートの中庭にあるステージは、のっち、かしゆか、あーちゃんの女性3人組テクノポップユニット「Perfume」が下積み時代に活動していた場所であって、その手のオタクには聖地となっています。

 ここまできたら、ついでに寄って欲しいところが貧乏神神社。「貧乏はお金ではない、心の問題」と唱えながら神木を殴る蹴るすれば、もやもやした気分が一気に晴れると云うことらしいのですが、だれがどんなきっかけでこんな怪しい神社を誘致することにしたのかと思うと、不思議で夜も眠れません。

 この記事を公開する前に念のために確認してみれば貧乏神神社の影はなく、「諸般の事情により撤去しました。」との看板が・・・どういう事情があったかは存じませんが、これでゆっくり眠れます。


超ごってり麺 ごっつ

ハッスルラーメン

バリギタらーめん「浮浪雲」
 

 ラーメンに話を戻して、ここサンストリートに構えるお店は「元楽」(げんらく)。 背脂チャッチャ系のこのラーメンは、蔵前が本店で都内に数店を展開するお店です。 ところでこの「チャッチャ」とは、スープの入ったどんぶりに湯切りの網で背脂を振りかける動作のこと、豚の背脂がたっぷり入ったラーメンを意味します。

 付近にある同種類のラーメン店は、「らーめん潤」「慶次郎」、そしてホープ軒の流れを受け継ぐ「ごっつ」。その他に、蔵前通りに店を構える「ラーメン二郎」もチャッチャ系です。

 お子様連れにお勧めなのは「ハッスルラーメン」。金魚すくいやおもちゃなど、小さな子供を飽きさせないツールがたくさん揃っています。一方、大人の人に好評なのは平日午後のハッスルタイム、生ビールやチューハイが200円均一でハッスルつまみ盛り400円で済ませば三杯飲んでも1,000円で足りてしまいます。

 このお店の基本は背油ギタギタのチャッチャ系、しかしながらつけ麺にも相当力を入れていて、バリエーションは魚だしの「もりつけ」・「カレーつけ」・「ハバネロつけ」の三種類。いずれも浅草開化楼と共同開発の極太麺を使用していて、ラーメン開発にただならぬ情熱を感じるお店でもありました。

 幾度となく前を通って、気になっている謎のラーメン店がバリギタらーめん「浮浪雲」(はぐれぐも)。 亀戸中央通りにあるこのお店の概観は、どこから見てもおそば屋さん。入り口には黒地の大きな暖簾が掛けられていますが、営業している気配を感じた事がありません。単純にお店の名前から想像すれば、管理社会に馴染めないご主人が作る背脂バリバリギタギタの極太ラーメンであろうと思います。

 この種の背脂たっぷりラーメンにとって、この地は他所に類をみない激戦区、いづれも美味しい一杯ですが、もはやどれが好きかは個人のお好み次第です。




前編:豚骨ラーメン(今いる所) 中編:塩ラーメン 後編:つけ麺・まぜ麺 最終編:醤油ラーメン・その他 【周辺マップ】

(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
東京下町を探訪する他の記事(「東京・下町自転車」)や「沖縄花だより」「紀行・探訪記」「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。


Author:梶原正範    Mailto:hanadayori@okinawa.zaq.jp