「東京・下町自転車」(亀戸ラーメン便り) 最終編:醤油ラーメン・その他

蒙古タンメン(中本)/赤ぶっとん(ブッ豚)

【醤油ラーメン】
 続いての探索は醤油ラーメン。醤油ラーメンは如何に懐かしさを回顧できるかがポイントで、派手さや目新しさより普段使いのほっとする暖かさが優先します。

 この辺の兼ね合いを心得ているお店が中華そば専門の「赤坂味一」。お店の外観は非常に地味で、中華そば屋はこうでなれればいけないという一つの見本です。 スープは煮干しの香り漂うあっさり味。濃厚ラーメン好きの若者には物足りなさを感じるかも知れませんが、量は注文を間違えたかと思えるような大盛で、麺の硬さやスープの濃さを指定できるあたりはマニアの心をくすぐります。

 べたなところでは喜多方ラーメン「小法師」。会津・喜多方ラーメンの首都圏進出は甚だしく、今や万人の知る味となっています。注文するならどんぶり一面に13枚ものチャーシューが敷き詰められたチャーシュー麺890円、それにちょっぴりぴり辛の白髪ねぎを盛り合わせたねぎ焼豚ラーメン990円もお勧めです。

【その他】
 蒙古タンメン「中本」も行列の絶えない人気店、ラーメンの汁は唐辛子でとにかく真っ赤、どれだけ辛いラーメンを食べるかがこのお店に通う人たちの関心事です。 学生の頃、やはり激辛カレーにはまった事がありました。辛さはついに痛みに代わり、みんなで痛い痛いと言い合いながら競って食べたことを思い出しました。ここまで来ると、脱法ハーブ依存症とまでは云いませんが、これはほとんど病気です。

 この唐辛子の辛味成分は「カプサイシン」、代謝を高めダイエットや健康増進に効果があると云われていますが国立健康・栄養研究所の判断はその説に懐疑的。むしろ過剰摂取は胃ガンの発生を促進するという報告もあるので、ほどほどに楽しむようにして下さい。

 最後の出番は明治通り沿いの亀戸駅通りバス停近くにお店を構える「ブッ豚(とん)。博多ラーメンを思わせるストレートの細麺に濃厚豚骨スープを合わせたラーメンで、赤・白・黒の三種類のラーメンを柱にしている模様です。

 試してみたのは「赤」と「黒」。 赤はマーラー油と辛子味噌により真っ赤に染まったラーメンで、一口すすれば一瞬で汗が吹き出します。黒にはマー油とカリカリに炒めたニンニクチップが添えられていて、こちらはとてもこくのある味わい深いラーメンです。両方とも麺の中を探ってみれば、店の名前に恥じることのない三枚ものぶ厚いチャーシューが惜しげもなく放り込まれていて、とても美味しく頂きました。

 

喜多方ラーメン 小法師

蒙古タンメン 中本

ブッ豚(とん)

 以上のとおり亀戸は、とにかくラーメン店の超激戦区。知らない間に店が入れ替わっているのは茶飯事(さはんじ)で、逆に今残っているお店は洗練された風味や味わいを武器に、厳しい戦火を潜り抜けて来た兵(つわもの)ばかりでありました。


北海道らーめん ひむろ

中華そば専門 赤坂味一

ラーメン二郎

ゴマ哲

らぁめん 花月嵐

「元楽」(げんらく)

麺絆や519

ラーメン慶次郎

ラーメン 潤

北海道らぁめん 伝丸

横浜家系ラーメン くれ家

らーめん 司



前編:豚骨ラーメン 中編:塩ラーメン 後編:つけ麺・まぜ麺 最終編:醤油ラーメン・その他(今いる所) 【周辺マップ】

(このシリーズは、iPadで楽しめるように設計されています。喫茶店でお茶を飲みながら、ゆるりとした気分でお楽しみください。)
東京下町を探訪する他の記事(「東京・下町自転車」)や「沖縄花だより」「紀行・探訪記」「真樹のなかゆくい」へも、是非訪づれてください。


Author:梶原正範    Mailto:hanadayori@okinawa.zaq.jp